薬剤師のアトピーブログ

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ニキビとアトピーは表裏一体

アトピーとニキビはとてもややこしい関係にあります。

表裏一体の理由を見ていきましょう。

 

 

ニキビの原因

ニキビは毛穴に皮脂がたまり、出口が炎症を起こして小さく隆起したもので、すぐに治ってしまう軽いものから、ニキビ痕として跡を残してしまう重症のものまであります。

 

ステロイドの副作用にある「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚の病気の通称なのです。

 

原因は大きく3つ

  1. 毛穴の閉塞
  2. 皮脂の過剰な分泌
  3. アクネ菌」というニキビの元となる菌の繁殖

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ですね。

この中でステロイドが大きく関与するのは「アクネ菌」の繁殖です。

ステロイドは免疫を抑制する薬なんですが、この作用によって細菌への抵抗力がなくなり細菌が増えやすくなります。

アトピーでただでさえ壊れている皮膚なのに、さらに免疫力を抑制するので細菌は増え放題ですね。

 

 また、アトピーの人は肌が乾燥しているため肌を皮脂で補おうとするため、毛穴から必要以上の皮脂を分泌します。

その過剰分泌した皮脂をエサに、ニキビの元凶であるアクネ菌が増殖してニキビができるというわけです。

 

 

まさに、「あちらを立てればこちらが立たず」の状態です。

ステロイドを使えば、ニキビが悪化する。

ニキビの薬を使えば肌が荒れアトピーが悪化する。

という悪循環に陥ります。

 

ニキビとアトピーが併発した場合の治療方針とは

アトピーに併発したニキビはかなり厄介です。

 

こういう場合、顔だからといって弱めのステロイドを使うのではなく、逆に強めの軟膏を薄くぬり、アトピーによる皮膚の痒み・炎症を短期間で抑え、保湿剤だけに切り替えます。

 

肌の状態が良くなった時点でニキビの治療にもっていく場合が多いですね。

 

症状が悪化し、細菌による炎症まででてきたケース(いわゆる‘赤ニキビ’)では、抗生物質がはいったアクアチム・クリームやゲンタシン軟膏が処方されることがありますが、それで治らないケースが多々あり、さらに、ミノマイシン(テトロサイクリン系)などの抗生物質が飲み薬として使われることもあります。

 

自分の場合は錠剤でも治らなかったので、病院の先生に顔に針を刺してもらって膿を抜く治療をしていました。

 

そこまでならないようにアトピーだけでなく、ニキビの対処もあらかじめ行う事が大切ですね。

食事・睡眠・ストレス・肌環境を見直していきましょう!!

 

 

 

また、似たような病気にも注意が必要です。

マラセチア毛包炎

ニキビに似た症状を引き起こす皮膚病の中に、「マラセチア毛包炎」という病気があります。

発疹は赤く、時に膿をもち、見かけはニキビに非常に似ていますが、原因がニキビの原因菌であるアクネ菌ではなくマラセチアというカビの一種です。
 

症状は、ニキビに比べ、大きさが均等にそろった赤みの強い発疹が多数見られることが特徴ですが、見た目でニキビと区別することはなかなか難しい病気です。
 

汗が多くなる時期や紫外線に当たる時期に多く見られ、通常のニキビ治療を行っても治りません。
診断は発疹の内容物を取り出し、顕微鏡で見たり、培養検査をすることで確定されます。

なので、ニキビだと思って自己判断で抗菌薬の塗り薬を使うのではなく皮膚科に受診し、正しい治療を受ける・行うようにしましょう。