薬剤師のアトピーブログ

薬剤師くにぺいのアトピー情報局

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日光がアトピーに良い訳がない理由

アトピーの人は日光に当たるのがいいってよく見るけどホントなの??

う~ん、この一言だけ鵜呑みにしてしまうと危険かな~

え!!そうなの!?

うん。実は肌にいい作用・悪い作用があるんだ。そこを詳しく見ていこうか。

 

 

目次

 

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日光にはいろんな光線が含まれている!!

 日光は波長により、長い方から赤外線、可視光線、紫外線に大別されます。

このうち最も皮膚に影響を与えるのは一番短い波長の紫外線です。強い直射日光に当たってしばらくすると皮膚が赤くなってヒリヒリする、さらに時間がたつと黒くなる、といった変化はほとんどが紫外線によるものです。

 

さらに紫外線も長い順に長波長紫外線(UVA)、中波長紫外線(UVB)、短波長紫外線(UVC)に分けられます。

UVAは皮膚の深い部分まで到達し、皮膚を赤くする効果よりも主に黒くする役割を果たしています(サンタン効果)。

一方、UVBは皮膚の比較的浅いところまでしか届きませんが、赤くヒリヒリと炎症を起こす原因となります(サンバーン効果)。

UVCは地球のオゾン層に吸入されて届きません。

 

光線の波長が短くなればなるほど肌への影響も強くなるという事です。

 

紫外線のメリット⇒ビタミンDを作ってくれる

実は肌に紫外線が当たることでビタミンDが作られています。

ビタミンDには、食物からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保つ働きがあり、骨格を健康に維持するのに役立ちます

骨量を保ち、骨粗鬆症を防ぐためにビタミンDは必須なんです。

 

ビタミンDは食物としては、きのこ類や脂身の魚類に多く含まれていますが、その他の食品には少ししか含まれておらず、必要量を食事だけから摂るのは困難です。そのため、多くの人は必要ビタミンDの半分以上を日光紫外線に依存しているのが現状です。

 

ビタミンDの観点からは短時間の日光浴は必要ですが、一方で紫外線には発がん作用などの好ましくない作用があるのも周知の事実です。私たちは、この両方を上手に秤にかける必要があります。

「何分ぐらい日光浴すれば足りるの?」というのは、皆さんが良くされる質問ですが、

 夏は昼間の直射日光を避けて10~20分程度、冬は30分~1時間程度の日光浴をするなど、季節と時間帯を考えて、太陽光と適切な関係を保つのがいいでしょう。

 

なお、食物からの摂取や日光浴等が難しい場合には、ビタミンDサプリメントを利用することも一つの方法です。

 

日光浴のメリット⇒睡眠の質の向上・ストレスの軽減

日光浴をしないと、メラトニンセロトニンというホルモンの分泌に問題が生じる恐れがあります。ちなみに、この場合に作用するのは紫外線ではなく、可視光とされています。
起床後、太陽光に当たり、食事をすることで体内時計がリセットされます。

これをリセットしないと1週間で1時間以上、体内時計がずれてしまいます。そのせいで正常なら夜、分泌されるメラトニンという睡眠を促すホルモンが、理想的な時間に分泌されなくなってしまいます。


睡眠の質が悪いと成長ホルモンの分泌にも影響が出ます。成長ホルモンの分泌が減ってしまうと、私たちの肌や内臓などの細胞が正常にターンオーバーされなくなってしまい、体の回復機能や新陳代謝を悪化させる危険性があります。つまりメラトニンは、肌や内臓などの若さを保つことに貢献しているといえるのです。

 

これに対して、朝、太陽光を浴びることで分泌が高まるのがセロトニンです。セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれているように、心の安定を保つ脳内ホルモンです。ストレスホルモンが増えすぎないように調整するのもセロトニンです。

また、自律神経の安定性にも関係しており、老化の防止にもつながっています。

これらのことからわかるように、太陽光を浴びすぎると老化を招きますが、浴びないことも老化につながるのです。

朝はカーテンを開けて、日光を浴びる事を心掛けるといいでしょう。

 

 

紫外線のデメリット⇒シミ・そばかす・皮膚ガンetc・・・ 

紫外線は肌に多く作用をもたらします。

①シミそばかす、シワの原因になる

 紫外線が肌にあたると、皮膚の中のメラノサイトという細胞がメラニン色素を作ります。メラニン色素は紫外線を吸収して肌を守ろうとします。

 

 ②DNAが傷つく

かなり強い紫外線を浴びてあまりにも損傷が大きいと修復できずに自爆したり(これが皮がむけるという状態)、修復しきれなかったDNAの一部はそのまま残ってしまいます。こういったことが長年つづくと皮膚ガンになる場合があります。

 

白内障の原因になる

紫外線は皮膚の細胞を傷つけますが、同じように眼も長時間紫外線を浴びると炎症を起こします。特に白内障の原因になるともいわれています。UVカット処理されたサングラスなどで目を守りましょう。

過去くにぺいはこれを知らなかったので、雪山でゴーグルをつけずにのんきに滑ってしまい、その結果、重度の炎症がおき目の激痛・涙が止まらない・目が開かないといった症状がでてしまいました。無知って恐ろしいですね・・・

 

いままで甘く見ていた人もいると思いますが、紫外線ってこんなに怖いものなんです。

 

アトピーの人にはメリット⇒免疫抑制作用

紫外線には免疫力を抑える効果があります。

この作用を利用してアトピーなどの過剰な免疫によっておこる疾患の治療に用いられています。

アトピーの方なら一度は耳にしたことがあるPUVA療法・ナローバンドUVB療法といわれる治療法です。

ナローバンドUVBでは高い治療効果が得られる波長のみを用い、それ以外の波長を取り除いたUVBを当てる治療法です。PUVA療法のようにあらかじめ薬を投与する必要もありませんので、広く普及しています。また、部分的に残った皮疹に局所的にUVBを当てる「ターゲット型光線療法」も普及してきています。

ナローバンドUVBの全身型紫外線装置だと必要照射時間は30秒から長くても1分くらい

だそうです。こんなに短い時間でいいんだと驚きました。

 

以下はくにぺいの憶測なんですが

アトピーの方で海水浴に行くと肌の調子が良くなるor悪くなるという話を聞きますが、これは肌へ当たった紫外線の量で症状が決まってくるからではないでしょうか??

 

まとめ

●紫外線が強い日の長時間の外出、体育の授業や海水浴、スキーなど過度に紫外線を浴びる場合はUVクリーム・帽子などで対策すべき

 

●朝はカーテンを開けて、日光を浴びると良い

 

 夏は昼間の直射日光を避けて約10~20分程度、冬は約30分~1時間程度の日光浴が良い

 

アトピーに有効な免疫を抑制する紫外線には適正な波長・量・時間があるため日光で代用は難しい

 

 ●紫外線の浴びすぎは皮むけやヤケドにつながり、アトピーの症状を悪化させる。

 

紫外線でも薬でも浴びすぎ・飲みすぎは良くないということですね。

しっかり肌ケアするようにしましょう!!くにぺいでした。

 

参考:環境省 紫外線マニュアル

https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2015/full.pdf