アトピーであり薬剤師による病気に対する理解・原因と痒みの対処法!!
薬剤師+アトピーのくにぺいです。
アトピーで長年悩まされてきたくにぺいが、アトピーになる原因や痒みに対する対処法を書いていこうと思います。
アトピーになる原因とは?
まずは何故アトピーになるのかしっかり理解しておく必要があります。
アトピー性皮膚炎の原因には、
①「体質的な要因」
=アトピー素因やバリア機能が低下している皮膚状態など
※アトピー素因とは
普通の人にとってはなんでもないダニの死骸・食べ物・化粧品などに体の免疫が過剰に反応してしまう体質を持った人のこと
②「環境的な要因」
=アレルギー症状を起こす物質(アレルゲン)や皮膚への外部刺激など
があります。
「体質的な要因」と「環境的な要因」が重なったときに、皮膚炎の症状があらわれると考えられます。
このような体質を持った人がアレルゲンに晒されると、
異物が入ってきた!!
と体が過剰に反応し免疫細胞を送り込みます。
この免疫細胞は異物を排除しようとする良い作用もあるのですが、人間の体にとってあまりよくない作用もあります。
それは、ここに異物が入ってきてますよと自分に知らせるために痒み物質を出すことです。これが俗にいうヒスタミンやIL-31とよばれる物質です。
このせいでアトピーの方々は痒みという大敵に悩まされるわけです。
分かりやすく簡単にすると・・・
アレルゲンへの暴露
⇩
痒みが出る
⇩
掻き壊し、肌が傷つき乾燥しやすくなる
⇩
外からの刺激を受けやすくなる
というアトピーの負のスパイラルがおこり、抜け出せなくなるということです。
痒みに対する対処法
では、このアトピーの負のスパイラルから抜け出すための対処法を紹介していこうと思います。
①ステロイド薬を使う。
前述したとおり免疫細胞により痒みがおきるので、その免疫作用を抑えるステロイド薬を医師の指示通り適量使うこと。
(ステロイド薬についてはまた別記事で詳しく書こうと思います)
②肌が乾燥しないようにする。
アトピー性皮膚炎の人はバリア機能が弱まり、水分が外へにげてしまい肌が乾燥してしまいます。乾燥している状態だと肌の細胞と細胞の間は開いてしまい、外からの刺激を受けやすくなります。
その状態を防ぐために
- 保湿剤を欠かさずに塗る(自分の場合はヒルドイドローション愛用してます)
- 加湿器で室内を適切な湿度に保つ(だいたい湿度50%~60%が目安とされています)冬はもちろんのこと、夏もクーラーによって湿度はしらずしらずのうちに下がっています。夏でも加湿を心掛けてください。
③掻き壊しをできるだけ防ぐために指の爪をこまめに切る。
自分はいつも深爪してます。
これをするだけで仮に夜中無意識に掻いても軽度ですみます。
④アレルゲン物質をできるだけ排除する。
エアコンのほこり・カビや布団のダニなど掃除を定期的に行い、部屋を清潔な状態にすることで痒みが起きる頻度を大幅に下げることが出来ます。
⑤通気性がよく肌に優しいつなぎの服をパジャマにする。
つなぎの服とは下半身・上半身が繋がっている服です。顔のアトピーの場合は意味ないですが、肘・膝・股などのアトピーだと夜中の無意識の掻き壊しが防げるのでお勧めです。
⑥痒み止めの薬を使用する。
内服薬だと抗ヒスタミン薬がよく医者から出されます。効果を感じる人はしっかり飲むようにしてください。
自分は薬を飲んでも掻いてしまうので、痒み止めの外用剤を使ってます。
⑦高温のお風呂・シャワーはあびない。
高温のシャワーを浴びると肌への刺激になってしまい痒みが出てしまいます。
また血流が促進されすぎて痒みも強くなるので、二重の意味でよくないです。
⑧石鹸は刺激のないものに変えて、ボディタオルも柔らかいものに変える。
自分は炎症気味の部分には手に石鹸を付けてなでるように洗うようにしてます。
以上が自分がやっている対処法ですね。
これはやってなかったな~という事もあったのではないでしょうか。
この記事で対処法を再確認してもらえれば幸いです。
ではまた次の記事でお会いしましょう。くにぺいでした!!
アトピーの痒みには痒み止めの薬ってあまり効かない!?
こんにちは。アトピー患者+薬剤師のくにぺいです。
このページではアトピー治療に関する知識をまとめていこうと思います。
医者にかゆみ止めの
抗ヒスタミン薬
(アレグラ・タリオン・ザイザル・クラリチンなど)
を処方されたことはないでしょうか?
実は自分もその一人です。
この薬を処方してもらった日は
「これで痒みも治まって、夜もぐっすり寝られる!!」
と思ってました。
ところが、薬を飲んだ翌日の朝
「ん・・・?顔がヒリヒリするな。」と思い、
鏡を見ると頬が血だらけになっていたんです( ゚Д゚)ガーン
例のごとく夜中に顔を手で引っ掻いてしまってました。
その後も痒み止めの種類を変えてみたりしましたが、効果は実感できませんでした。
なんでかな~と調べたところ、こういう理由があったんです。
ヒスタミン H1 受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)が著効する蕁麻疹と異なり,アトピー性皮膚炎の瘙痒に対する抗ヒスタミン薬の効果は症例によって異なることから,ヒスタミン以外のメディエーターの存在が想起されている.近年,Th2 細胞が産生するサイトカインの 1 つである IL-31 が瘙痒を誘導することが報告された。
ざっくり要約すると、
①アトピー患者の中でも抗ヒスタミン薬が効く人・効かない人に分かれる。
②効かない人はヒスタミンではなくIL-31という物質が痒みを引き起こしている可能性がある。
(※虫刺されなどの痒みなどには抗ヒスタミン薬は効果あります)
ということです。
このILー31という物質はアトピー性皮膚炎発症と深くかかわっているとされており、アトピー性皮膚炎の痒みを根本から断つための新薬になるのではないかと期待されています。製薬会社さん頑張って!!
じゃあ、現状・・・
痒みはどうやって対処したらいいんだ!!ってなりますよね。
次の記事では、自分が導き出した対処法を紹介しようと思います。
お楽しみに!(くにぺい)